声優の野沢雅子さんが、ビデオゲームの声優として23年間、出演し続けたことで、2つのギネス世界記録に認定され、2017年1月31日に都内でギネス世界記録認定式が行われました。
その2つの記録とは、
- ひとつのビデオゲームのキャラクターを最も長い期間演じた声優
- ビデオゲームの声優として活動した最も長い期間
なんと23年と218日にわたって孫悟空のキャラクターを演じていたのですから、その長さには脱帽です!
野沢雅子さんの主なプロフィール
本名:塚田雅子(旧姓:野沢。)
生年月日:1936年10月25日
出身:東京都荒川区日暮里
身長:153cm
血液型:O型
所属:青二プロダクション
代表作:
『ドラゴンボール』孫悟空・悟飯・悟天(ドラゴンボール)
『ゲゲゲの鬼太郎』鬼太郎(第1期、第2期)
『銀河鉄道999』星野鉄郎
声優と呼ばれることに不満? 舞台女優の転身
幼少期に子役として映画デビュー、中学生にあがると劇団に入り舞台女優として活躍するなど、生粋の「舞台人」であった野沢雅子さん。
そんな彼女が声優業に関わるようになったのは、劇団の経営を支えるためでした。
当時、声優という仕事自体あまり認知されておらず、立場も低かったため、抵抗もあったでしょう。
若い頃は「声優」と呼ばれることを嫌い、インタビューのたびに「舞台女優です」と断っていたことが伝えられています。
そんな野沢さんですが、『ゲゲゲの鬼太郎』の鬼太郎、『いなかっぺ大将』の風大左衛門といった大作の主人公を演じるうち、声優業に対し徐々に意識を改め、むしろ誇りに思えるまでになったといいます。
これは声優業に対する社会的な認知とも関わっていると思いますが、野沢さん自ら先頭に立って声優業を開拓していったことも大きいのです。
野沢さんを慕う後輩、若手の声優さんは多く、各声優さんのブログやツイッターを読んでいると、わたしたちファンが思う以上に尊敬と感謝の念を抱いていることが伝わってきます。
悟空もビックリ!ドラゴンボールで魅せた神業とは!?
漫画を全く読まない人でも知っている世界的ヒット漫画『ドラゴンボール』。
最初は山の中のわんぱく小僧に過ぎなかった孫悟空が、亀仙人という師匠についたことでメキメキと腕を上げ、世界一、宇宙一強い戦士になっていくストーリーです。
その際限のなさに「力のインフレーション」と一部で揶揄されたりすることもありますが、劇中で見せるその神業には何物にも代えがたい魅力があります。
そんな孫悟空の声を演じる野沢さんにも、みんなが驚く神業があるのです。
それは、悟空・悟飯・悟天の演じ分けです。
通常であれば、一人二役の場合でも別撮り収録になるところを、何と三人同時にこなしているのです。
その模様はYouTubeにもアップされていますので、ぜひご覧になってください。
通常の一人二役や、一人何役という場合は、大きく声質を変えたり、性別設定まで違うことも多いのですが、悟空・悟飯・悟天の場合は、どれも若い男の子または青年です。
なので大きく声質を変えることなく、雰囲気、口調から役を切り替えているのですね。
これは本当にすごいことです。
このことについて野沢さんは、
「三人は一見似ているようだけど育った環境が違うので、そんなに大変ではないし、絵を見るとすっと役に入れる。悟空と悟天はやや似ている部分があるが、悟天には親がいることで違いを出している。」
と特に苦労している様子もなさそうです。
声優が単なる声の名人芸ではなく、人に対する観察力、洞察力を駆使した稀有な職業だということが実感されます。
実は予言していた? ギネス認定
2017年1月に受賞したギネス認定、実はそれ以前からご本人は「いつかギネスを取るぞ!」と話していたのです。
もっとも、自身の出演期間を調べれば分かりうることですから、厳密には予言ではないかもしれません。
ただ、「ギネス取るぞ発言」はちょうど東久邇宮文化褒賞の受賞時期と重なるのです。
最初は本意ではなかったかもしれない声優業がだんだんと認められ、文化人として賞をもらうまでになったことが、さらなる飛翔を宣言させたのでしょう。
受賞後のあいさつで、野沢さんは「あと100年は続けるから、よろしくな!」
何との心強い言葉でしょう。
このモチベーションの高さに、思わず拍手を送りたくなるではありませんか!
「じゃあ私も、あと100年は見続けるから、よろしくな!」
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